沖縄発の自然塩「ぬちまーす」は、「命の塩」とも呼ばれ、一般的な食塩とは異なる成分構成を持つことで注目されている塩です。
ナトリウムだけでなく、マグネシウムやカリウム、カルシウムなど複数のミネラルを含むことから、「どんな成分なのか」「どのくらい摂取してよいのか」「体への影響や安全性は大丈夫なのか」といった疑問を持つ人も少なくありません。
この記事では、ぬちまーすの成分や特徴を整理したうえで、厚生労働省の公的資料や研究データを参考にしながら、摂取量の考え方、自律神経との関係について語られている内容、さらにマイクロプラスチック混入に関する安全性の情報について、事実ベースで分かりやすく解説していきます。
\海そのままに多くのミネラルを含んでいる天然塩/
ぬちまーすとは?名前の意味と特徴
「ぬちまーす」という名前は、沖縄の方言で「命の塩」を意味しています。
製造元である株式会社ぬちまーすの高安社長は、塩を人間の生活に欠かせない基礎的な存在と捉え、「海の恵みをそのまま体に届けたい」という考えのもとで商品開発を行ってきました。
高安社長はその背景として、血液や羊水に含まれる無機質成分の構成が海水中のミネラル組成と近い点に着目し、海水に含まれる成分を損なわずに取り入れられる製塩方法を追求してきたと述べています。

海水のミネラル組成に関する研究例
海水中のミネラル組成については、研究分野においても血漿や羊水に含まれる無機質成分と類似している点が報告されています。
例えば、木村美恵子氏による研究では、海水中のイオン組成が血漿や羊水に含まれる無機質成分と近い構成を持つことが示されています。
「海水中のイオン組成は、血漿や羊水に含まれる無機質成分と類似しており、古くから海水浴は健康維持や皮膚疾患の治療に利用されてきた」
出典:木村美恵子「海水のミネラルと健康」Biomed Res Trace Elements, 2007, 18(4), 336–345
ただし、こうした研究結果はミネラル組成の類似性を示すものであり、特定の食品や塩の摂取による健康効果を直接示すものではありません。
独自製法によるぬちまーすの特徴
ぬちまーすの大きな特徴のひとつが、「常温瞬間空中結晶製塩法」と呼ばれる独自の製造方法です。
この製法では、海水を加熱せずに瞬間的に結晶化させることで、マグネシウムやカリウム、カルシウムなどのミネラル成分を含んだ塩を作り出しています。
その結果、一般的な精製塩と比べてナトリウム以外のミネラルを含む点や、非常に細かいパウダー状の質感が特徴とされています。
ナトリウムの含有量については、次の項目で詳しく整理していきます。
成分表示とミネラルの働き

ぬちまーすは、一般的な精製塩と比べて食塩相当量(ナトリウム量)が低めで、マグネシウム・カリウム・カルシウムなど複数のミネラル成分を含むのが特徴です。
ぬちまーすの成分(100gあたり)と精製塩との比較
| ぬちまーす | 精製塩 | |
| 食塩相当量 | 75.5g | 99g |
| ナトリウム | 29.7 g | 39g |
| マグネシウム | 3360㎎ | ほぼ0 |
| カリウム | 970㎎ | ほぼ0 |
| カルシウム | 700㎎ | ほぼ0 |
ぬちまーすには、表に挙げた成分のほかにも複数のミネラルが含まれています。
主なミネラルとその役割
ここでは、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考に、主要なミネラルの一般的な役割を整理します。
ナトリウム
ナトリウムは体液の浸透圧維持や神経・筋肉の機能を正常に保つために必要不可欠な栄養素である。
しかし、過剰摂取は高血圧症や心血管疾患の発症リスクを高める。

ナトリウムは「摂り過ぎ注意」という印象が強いですが、体液バランスや神経・筋肉の働きにも関わる大切な成分なんですね。
大事なのは、必要量を満たしつつ過剰になりすぎないようにすることだと感じました。
カリウム
カリウムはナトリウムの排出を促進し、血圧低下作用があることが報告されている。

カリウムは、体内のナトリウムバランスに関わるミネラルとして知られています。
塩(ナトリウム)を意識している人ほど、カリウムについても基本を押さえておきたいところですね。
マグネシウム
マグネシウムは300種以上の酵素反応に関与し、神経伝達や筋収縮の調整に重要である。不足すると神経過敏、不整脈、血圧上昇などが起こることがある。

マグネシウムは、体内でさまざまな反応に関わるミネラルとして知られています。
日々の食事全体の中で、過不足が出ないよう意識するのが大事ですね。
カルシウム
カルシウムは、骨や歯の主要な構成成分であり、体内のカルシウムの約99%は骨に存在している。
残りの約1%は血液や細胞内外に存在し、神経伝達、筋収縮、血液凝固などの生理機能に不可欠な役割を果たす。
カルシウムは骨のリモデリング(再構築)に関わっており、摂取不足が長期に続くと骨量が減少し、骨粗鬆症のリスクが高まる。

カルシウムは「骨や歯」のイメージが強いですが、神経や筋肉などにも関わるとされているんですね。
食事全体で不足しないよう意識したいところです。

ここで押さえておきたいのは、ミネラルは単体で完結するというより、さまざまな栄養素や体内環境と関わりながら働く点です。
精製塩は主に塩化ナトリウムが中心なのに対し、ぬちまーすはナトリウム以外のミネラル成分も含むため、「成分の違い」として理解しておくと分かりやすいと思います。
ぬちまーすの摂取量はどれくらい?
ぬちまーすは塩である以上、どのくらいの量を目安に使えばよいのかは多くの人が気になるポイントです。
一般的な精製塩と比べてナトリウム量が低めで、複数のミネラルを含む点が特徴とされていますが、摂取量の考え方については、公的な基準と製造者の見解を分けて整理しておくことが大切です。
開発者が示している摂取量の目安
カレン沖縄のインタビュー記事では、ぬちまーすの開発者である高安正勝社長が、「1日15〜20g」を目安※3として挙げています。
高安社長はこの理由について、ナトリウム量だけでなく、カリウムやマグネシウムといったミネラル成分が含まれている点に着目していると述べています。
ただし、この数値はあくまで開発者個人の見解として示されているものであり、一般的な摂取基準として定められたものではありません。
厚生労働省が示す食塩摂取量の目安
一方で、厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、食塩摂取量の目標量について、
・成人男性:1日7.5g未満
・成人女性:1日6.5g未満
が示されています。
これは、生活習慣病の予防を目的とした一般的な目安であり、健康な成人を対象に設定された基準です。
数値を比較するとどうなる?
参考として、ぬちまーすを15〜20g使用した場合、食塩相当量に換算するとおおよそ11〜15g程度になります。
この数値を厚生労働省の目標量と比べると差があることが分かりますが、どちらか一方が正解というわけではなく、前提条件や目的が異なる数値である点を理解しておくことが重要です。
摂取量を考えるうえでの基本的な考え方
また、腎機能や血圧などに不安がある場合や、食事制限が必要な場合は、自己判断せず医療機関に相談したうえで判断することが望ましいとされています。
食塩の摂取量は、塩の種類だけでなく、食事全体の内容や体調、生活習慣によっても影響を受けます。
そのため、基本的には厚生労働省が示す目標量をひとつの基準としつつ、食品全体からのナトリウム摂取量を意識しながら使うことが現実的な考え方といえるでしょう。
ぬちまーすと自律神経の関係は?
ここでは、ぬちまーすに含まれるミネラル成分について、一般的な生理学的な知見をもとに整理します。
なお、自律神経の働きや体調への影響には個人差があり、特定の食品による効果を断定することはできません。
ここでは、研究や公的資料で示されているミネラルの基本的な役割を中心に紹介します。
マグネシウムと神経の働き
マグネシウムは、神経伝達や筋肉の収縮・弛緩に関与するミネラルとして知られています。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、マグネシウムについて次のように整理されています。
「マグネシウムは300種以上の酵素反応に関与し、神経伝達や筋収縮の調整に重要である。不足すると神経過敏、不整脈、血圧上昇などが起こることがある。」
また、基礎研究の分野では、マグネシウム不足と神経の興奮性や血圧調整との関連が示唆されています。
マグネシウム不足は神経の過剰興奮やストレス反応の増強に関与し、精神的な不安定さや高血圧などのリスク因子となる可能性がある。
これらの研究は、マグネシウムが神経機能に関わる重要なミネラルであることを示していますが、特定の食品や塩の摂取による影響を直接示すものではありません。
カルシウム・カリウムの一般的な役割
カルシウムやカリウムも、神経や筋肉の働きに関与するミネラルとして位置づけられています。
厚生労働省の資料では、次のように説明されています。
「カルシウムは骨や歯の主要成分であると同時に、神経伝達や筋肉収縮などの生理機能に関与している。」
「カリウムは細胞内液の主要陽イオンであり、細胞の興奮性や浸透圧の維持に関わる。」
これらのミネラルは、体内環境を一定に保つために重要な役割を担っており、日々の食事全体の中でバランスよく摂取することが基本とされています。
皮膚からのミネラル吸収に関する報告例
海水に含まれる無機質成分については、皮膚との関係を研究した報告もあります。
「海水中の無機質成分は皮膚を通して吸収される可能性があり、リラクゼーションとの関連が示唆されている。」
引用:木村美恵子,海水のミネラルと健康,Biomed Res Trace Elements,2007,18(4),336-345
ぬちまーすは入浴用として使われることもありますが、こうした研究は海水成分全般に関する知見であり、個別製品の効果を示すものではありません。
自律神経との関係をどう考えるべきか
ミネラルと神経機能の関係については、基礎研究や公的資料で一定の知見が蓄積されています。
ただし、自律神経の状態や体調は、食事だけでなく生活習慣やストレス、睡眠など多くの要因が関係します。
ぬちまーすについても、「ミネラルを含む塩の一例」として成分の特徴を理解し、健康効果を期待して使用するのではなく、情報のひとつとして整理する視点が大切です。
マイクロプラスチック混入リスクは?
近年、海洋環境に存在するマイクロプラスチック(一般に5mm以下の微細なプラスチック片)が、海水由来の食品に含まれる可能性について議論されるようになっています。
塩は海水を原料とするため、「自然塩にマイクロプラスチックが混入するのではないか」と不安に感じる人も少なくありません。
ぬちまーすの製造工程における対応
ぬちまーすでは、製造工程の中で海水をろ過する工程が設けられており、公式情報によると、マイクロプラスチックよりも微細なレベルでのろ過が行われているとされています。
また、製品については定期的に外部機関による検査を実施しており、これまでの検査においてマイクロプラスチックは検出されていないと公表されています。
安全性についての考え方
こうした取り組みから、ぬちまーすでは製造工程や品質管理に配慮していることが分かります。
ただし、マイクロプラスチックに関する研究は現在も進められている分野であり、評価方法や検出技術も今後変わる可能性があります。
そのため、「完全にリスクがない」と断定するのではなく、製造元がどのような管理や検査を行っているかを確認したうえで判断する視点が重要といえるでしょう。
まとめ
ぬちまーすは、沖縄の海水を原料に、独自の製法で作られている自然塩です。
一般的な精製塩とは異なり、ナトリウムだけでなく、マグネシウム・カリウム・カルシウムなど複数のミネラルを含む点が特徴として挙げられます。
摂取量については、開発者が示している目安と、厚生労働省が公表している食塩摂取量の目標値には差があるため、数値の背景や前提条件を理解したうえで考えることが大切です。
また、ミネラルと神経機能との関係については、基礎研究や公的資料で一般的な知見が示されていますが、特定の食品や塩による影響を直接示すものではありませんが、ミネラルはそれぞれに働きがあるだけでなく、相互に影響しあうため、食事を含めてバランスよく摂取する必要があります。
マイクロプラスチックについては、製造元がろ過工程や外部検査を行っていることが公表されており、製造過程や品質管理の取り組みを確認したうえで判断する視点が求められます。
本記事では、ぬちまーすの成分や製法、摂取量の考え方、安全性に関する情報を、公式資料や研究データをもとに整理しました。
購入や使用を検討する際の参考情報として役立てていただければ幸いです。
\海そのままに多くのミネラルを含む天然塩/
参考・引用
*1 木村美恵子,海水のミネラルと健康,Biomed Res Trace Elements,2007,18(4),336-345

